オマーンで予定されている協議は、イランの核開発計画、各種制裁、地域的緊張など、さまざまな問題をめぐって長年にわたって高まってきたイランと米国の間の緊張緩和を狙いとした外交努力の一環とされています。
しかし、バガーイー外務省報道官をはじめとしたイランの外交当局者らは、この交渉を米国の誠意を測る試金石だと考えています。同報道官は11日、対米間接協議を前に自身のXに、「我々は善意と十分な警戒をもって外交に真の機会を与えている。アメリカは、自らの敵対的な発言にもかかわらず下された(イランの)この決定の有難みを認識すべきだ」と投稿しました。
バガーイー報道官はまた、協議を前にイランとして予断は一切していないとし、「協議の席で相手側の意図と真剣さを査定し、それに応じて次の行動を調整するつもりだ」と強調しました。
これに先立ち、イランのアラーグチー外相も米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、オマーンでの交渉を試金石だとし、「ボールはアメリカ側にある」とくぎを刺しています。
イラン国会の国家安全保障・外交政策委員会幹部会のベフナーム・サイディ議員も10日、米国との間接交渉の要件に関して、「我が国として譲れない一線は平和目的での核開発、防衛力、ミサイル力だ」と述べるとともに、「平和目的での核エネルギーとミサイル防衛力の保有はイランの権利であり、我々はこれらの問題に関してはいずれの国とも交渉しない」と強調しています。
米側の反応としては、マルコ・ルビオ米国務長官が10日、「米国とイランの交渉が和平につながるよう希望している」と表明しました。
一方のイスラエルは、国際情勢において外交交渉が活発化することを懸念しています。イスラエル紙「エルサレム・ポスト」は情報筋の話として、イスラエル当局が米・イラン協議について「イスラエルから見て『弱い』または『中程度』とみなされる合意にトランプ米大統領が署名するのではないかと懸念している」と報じました。
このような中、米財務省は12日のイランとの協議に先立ち、石油産業への制裁回避をめぐる対イラン幇助の疑いで個人1人と企業4社に制裁を科しました。
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